着物を長持ちさせたい方向けに管理方法を解説!正しくキレイに保つには?

公開日:2023/07/15 最終更新日:2023/05/08

日本の誇るべき伝統である着物ですが、頂いたり購入したりしたあとに、自宅で管理する方も多いでしょう。しかしなかには、正しい管理方法がよくわからないと悩んではいませんか?着物の管理方法を誤ると、着物が傷んでしまうのです。そこでこの記事では、着物を長持ちさせたい方向けの管理方法を解説します。

着物を長持ちさせるには?

美しい着物は、決して安価なものではありません。世代を超えて受け継がれてきた着物は、思い入れもあるでしょう。そんな着物はできるだけ長持ちさせたいと思う方も多いのではないでしょうか。

着物を長持ちさせるためには、湿気、虫、汚れ、ガス、紫外線を防ぐことが大切です。これらの敵となる要素から防ぐために、管理方法を工夫する必要があります。次の章で解説します。

着物を管理・収納するときの注意点

具体的に着物を管理、収納するときの注意点を解説します。

着用後は陰干しする

着物着用後は、すぐにしまわず、一度陰干ししましょう。このとき、汚れやしみがついていないかチェックします。汚れやしみがついていた場合は、着物専門のクリーニングへ出しましょう。汚れやしみがなければ、半日から一晩陰干しし、着物にこもった湿気や汗を取り除きます

たとう紙に包んで収納する

陰干ししたら、着物を一枚ずつたとう紙に包んで収納します。たとう紙に包むときは、正しく畳みましょう。しまうときは、スペースに余裕を持ってしまってください。箪笥に目一杯詰め込んでしまうと、型崩れやシワの原因になるからです。

着物の収納には桐箪笥がおすすめ

着物の収納箪笥は、桐箪笥がおすすめです。桐箪笥は、防虫効果と防湿効果に優れており、着物をしまうには最適だといわれています。

定期的に虫干しする

着物は次に着るときまでしまったままにするのではなく、定期的な虫干しが必要です。虫干しとは、直射日光の当たらない風通しのよい場所に着物を陰干しし、着物にこもった湿気を取り除くことを指します。

虫干しをするときは、2日以上晴天が続き、湿気が少ない日に行いましょう。年に2~3回は虫干しすることをおすすめします。虫干しにおすすめの時期は、「梅雨明けの7月末~8月頃」「9月後半~10月頃」「2月頃」とされています。

箪笥を換気する

晴天の日に箪笥をすべて開け、扇風機を回して換気をしてあげましょう。着物の湿気を取り除く方法の中でも最も簡単です。忙しくて虫干しがなかなかできないというときにもよいいでしょう。

定期的にたとう紙を交換

たとう紙も定期的に交換しましょう。着物を長い間しまっている間についてしまった汚れやしみは、たとう紙から移ってしまうパターンがほとんどです。そのため定期的にたとう紙を交換してください。

とはいっても、たとう紙にもさまざまな種類があるため、どのたとう紙を選べばいいか悩む方も多いでしょう。たとう紙は、1,000円以下のリーズナブルなものから、4,000円以上の高価なものまであります。そのため、どのたとう紙を選ぶか迷ったら、しまいたい着物の種類で選ぶことをおすすめします。

訪問着やつけさげなど、頻繁に着る機会のある着物は、リーズナブルなたとう紙でも問題ありません。ただし、衣替えのタイミングでたとう紙を交換しましょう。一方、留袖や振袖、喪服着物など、フォーマル用の着物は、シルクでできており、カビや虫食いが発生しやすいです。そのため、防カビ、防虫効果の高い和紙の素材でできたたとう紙で着物を包みましょう。

プラスチック製のケースや衣装ケースでも管理可能

着物をきちんと管理したくても、桐箪笥がないという方も多いはずです。ですが、新たに桐箪笥を購入しなくても、ご自宅にあるプラスチック製のケースや衣装ケースでも問題ありません。ただし、いくつかポイントがあります。詳しく解説します。

たとう紙が入る大きさのケースを準備する

着物をケースにしまうときは、たとう紙が入る大きさのケースを用意してください。理想は、着物を包んだたとう紙を折り曲げずにしまえる大きさです。一般的なたとう紙の大きさは、二つ折りであれば約83cm、三つ折りであれば約64cmです。

必ず除湿剤を一緒に入れる

ケースは、桐箪笥と違って除湿効果がありません。そのため、除湿剤は必須です。着物をしまう前に、ケースの底部分に除湿剤を入れましょう。ここで注意点があります。着物をしまう箪笥に、防虫剤と除湿剤を併用する方が多いです。しかし、防虫剤と除湿剤の併用はやめてください

防虫剤と除湿剤を併用すると、化学反応が起きて着物にしみがついたり変色したりする可能性があるからです。ほかにも、防虫剤のにおいが着物に移ってしまうこともあります。そこで、次に紹介する備長炭シートの使用がおすすめです。

備長炭シートもおすすめ

除湿剤の代わりに、備長炭シートを入れるのもおすすめです。備長炭シートは、カビの発生を防ぐ除湿効果のほか、防虫、抗菌作用、消臭効果も期待できます。防虫剤特有のにおいもありません。さらに備長炭シートの効果は永久です。一度入れれば交換する必要がないので、手間も省けます。

ただし、備長炭シートを入れていても虫干しや箪笥の換気は行いましょう。備長炭シートは、ケースにしまうときだけでなく、桐箪笥にしまうときにもおすすめです。

まとめ

着物の正しい管理方法を解説しました。着物はとても美しいものですが、その分生地が繊細なため、虫やカビの餌食になりやすいです。せっかくの着物をカビや虫食いで台無しにはしたくないでしょう。そんな事態にならないよう、ここで紹介したポイントを参考に、着物を長く楽しんでください。正しい方法で管理した着物は、この先何十年も着られて、次の世代へと受け継げるものになるでしょう。

RELATED POSTS

おすすめ関連記事