振袖をクリーニングに出す場合の費用と期間はどれぐらい?

公開日:2023/11/15 最終更新日:2023/07/14

振袖といえば、成人式などの晴れの席にふさわしい着物です。ふつうの服と違い、デリケートなものなので、取り扱いは十分に気をつけなければなりません。今回の記事では、振袖をクリーニングに出す際の費用や期間について解説します。今後もできるだけ長く快適に着こなせるよう、参考のひとつにしてみてください。

振袖をクリーニングに出すタイミング

初めて振袖を着る人にとっては、クリーニングにいつ出すべきか、悩みどころでしょう。着用時は上機嫌でいても、あとのケアは何かと面倒なのも事実です。しかし、放っておけば、大事な振袖を二度と着られなくなる事態に陥りかねません。クリーニングに出す前に、まずは、汚れの有無、程度についてチェックしておきましょう。

みなさんは、振袖で汚れやすい場所はどこか、ご存じですか?

ワースト3は、衿、袖の底、裾です。肌の露出やまわりのモノとの接触も多い箇所だけに、自分では気づかないうちに汚れている場合もあるかもしれません。なかでも、衿の部分は位置の関係上、どうしてもファンデーションなどの汚れがつきやすくなっています。ほかの人から見ても、はっきりわかるところなので、最初にしっかりと確認してください。汗や皮脂などで汚れがちな長襦袢は、そのまま放置しておくと、変色、あるいは、汗シミの要因にもなり、早めのクリーニングが欠かせません。

ちなみに、ふだん使いする着物のクリーニングは、ワンシーズンに一度がだいたいの目安です。一方、めったに着ない振袖は、長期間に渡る保管が必要なため、着るごとに毎回クリーニングに出すようにしましょう。その作業を怠ると、目視レベルでは判別できない汚れが、のちにカビや虫食い、黄変などのトラブルにつながってしまいます。思い入れのあるものなので、できればいい状態で保管しておきたいものです。

振袖のクリーニングにかかる費用

クリーニングに出すタイミングがつかめたら、あとは、費用がどのくらいかかるのか、気になるところでしょう。振袖のクリーニングで最もポピュラーなのが、着物丸洗いです。水を使わないドライクリーニングとよく似た洗濯法といえば、わかりやすいかもしれません。着物丸洗いの平均的な相場は、約1~1万5,000円といったところ。

もちろん、店や規模によって価格は異なりますが、安くて7,000円以下、高くても2万円ぐらいの間がだいたいの幅だと知っておくと、予算が立てやすくなります。また、ポリエステルなどの化学繊維かどうか、シルク100%かどうかでも、かかる費用が変わってくるので注意してください。着物丸洗いでも、汚れが除去できないレベルでは、シミ抜きの作業が必須です。

コーヒーや紅茶、果汁系のジュース、あるいは、ボールペン、汗シミ、カビできたシミなど、どんなに気をつけていても、振袖を着ていると知らないうちに汚れていることもあります。シミ抜きの費用相場は、大きさや時間の経過、場所、シミの種類などによって左右されるので、一概にはいえません。ただ、シンプルなシミであれば、1か所2,000円程度で済むこともあります。

反対に、範囲が広いうえに落ちにくいシミだと、1か所で1万円以上かかることも、あわせて頭に入れておきましょう。なお、母親や姉などのお下がりをリユースする、いわゆるママ振のケースでは、月日が経っているので、必然的にシミ抜きの頻度が増え、その分、割高な傾向があります。

振袖のクリーニング完了までの期間

最後に、クリーニングが終わるまでにどの程度の期間がかかるのか、押さえておきましょう。基本的な前提として、振袖のクリーニングは、洋服の即日仕上げのようなスピードは望めません。ご承知のように、振袖のつくりは、非常に繊細で複雑です。金箔や銀箔、凝ったデザインの刺繍も多く、当然のことながら、クリーニングの手間も時間もかかります。

着物丸洗いは、対面式では約2~3週間、宅配式は約3~4週間が大まかな日数です。また、後者を選択すれば、配送にかかる時間も考慮しなければなりません。

シミ抜きは、作業の都合上、丸洗いよりもさらに日数が必要になります。どこが汚れているのか、事前にチェックし、見積もり額が提示された後、実際の作業がスタート。シミの種類に合わせた洗濯溶剤を使って、職人が丁寧な手作業で汚れを落としていきます。

店舗のスタイルによって差はありますが、要する期間はだいたい2~3か月です。対面式か、宅配式か、丸洗いで済むのか、それとも、シミ抜きが不可欠なのか、条件次第で完了までの日数に違いが出てくることも、覚えておいてください。

まとめ

振袖には、みなさんそれぞれにとって、かけがえのない記憶が刻まれているはずです。いつまでも大切に保管しておきたいと願うのは、共通の思いでしょう。今回の記事では、振袖をクリーニングに出す際のタイミング、費用、期間について、ひと通り解説しました。おさらいしておくと、着るたびに早めのクリーニングが欠かせないこと、丸洗いで約1~1万5,000円、宅配式だと約3~4週間の日数がかかり、シミ抜きになれば、それ以上の時間とコストが必要になります。貴重な思い出を色褪せさせないためにも、本稿の情報ベースに、今度の振袖ケアに役立ててみてください。

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