着物の虫干しの重要性!タイミングや適切な回数を知ろう

公開日:2023/06/15 最終更新日:2023/05/08

親世代から受け継がれた着物や、新たに購入した着物を自宅で保管している方もいるでしょう。しかし、着物は管理方法を間違えてしまうと生地が傷んでしまいます。着物を長く着るためには、正しく保管することが大切です。そこで今回は、着物の管理方法のなかでも重要な「虫干し」について解説します。

虫干しってどんなことをするの?

虫干しとは、着物をたんすやたとう紙から出し、日差しの当たらない外気で陰干しをして着物の湿気を取り除くことです。着物の湿気を取り除くことで、カビの繁殖や害虫の発生を防ぎます。虫干しは着物の管理方法のなかでも非常に重要で、定期的に虫干しを実施すると着物を美しく長く着られるようになります。

虫干しを行うメリット

まずは、虫干しを行うメリットを解説します。

着物を虫食いから守る

虫干しを実施すると、着物を虫食いから守ります。着物に限らず洋服でも虫食いの恐れはありますが、なかでも着物は虫がつきやすいです。着物の素材には絹やウールといった繊維の生地が多く、繊維を好む虫がつきやすくなります。

さらに、湿気がこもった場所を虫は好むため、虫干しされていない着物は虫にとって住みつきやすい環境なのです。大切な着物を虫食いから守るためにも、虫干しは必須です。

着物にカビが繁殖するのを防ぐ

虫干しを実施すると、カビの繁殖を防ぎます。着物を虫干しせず、長期間たとう紙やたんすにしまったままにしておくと、湿気がこもり、カビが発生してしまいます。着物にカビが発生すると、嫌な臭いがついてしまい、さらにシミや汚れにもつながります。

一度着物にカビが発生してしまうと、自分で取り除くことはできません。そのため、定期的に虫干しを実施して、湿気を取り除くことが大切です。

着物にこもった臭いを取り除く

着物を長期間たとう紙やたんすにしまっておくと、どうしても空気がこもり、臭いの原因になってしまいます。そこで虫干しを実施して空気を循環させることで、嫌な臭いも取り除けます。

着物の状態を把握できる

着物の虫干しを実施すると、着物の状態を把握できるというメリットもあります。着物を持っていても、着る機会は多くても年に数回という方が多いでしょう。長期間たとう紙やたんすにしまったままにしていると、着物の状態を把握するのも忘れてしまいがちです。

いざ着物を着る機会になって着物を出すと、汚れやシミを発見したなんて事態にもなりかねません。定期的に虫干しを実施していれば、その都度着物の状態を把握できるため、汚れやシミなどのトラブルにも早めに対処できます。

虫干しに必要な準備や最適な回数・タイミングについて

虫干しに必要な準備と、最適な回数・タイミングを解説します。

虫干しの準備

まずは、虫干しに必要な準備を確認しておきましょう。虫干しに必要なものは、「着物用ハンガー」「着物用ブラシもしくはガーゼハンカチ」「新しいたとう紙」「扇風機」です。

用意できたら、虫干しする場所を確保しましょう。虫干しは、風通しのいい場所であれば室内でも室外でも可能です。ただし、時間帯によって日差しが当たってしまうことがあるため注意しましょう。

虫干しを実施するときは天気も重要です。虫干しを実施する当日はもちろん、前後の数日も晴れの日が続くかどうか確認してください。前後の数日が雨予報だと、虫干し当日も湿度が高い可能性があるからです。虫干しは、湿度が低いカラッとした天気の日に行いましょう。

虫干しの回数・タイミング

虫干しの回数は、年に2~3回が目安です。虫干しのタイミングとしては、「雨が少なく湿度が低い」「空気が乾燥している」「2~3日晴れの日が続いている」といった条件がそろっていればよいでしょう。おすすめは、晴れの日が続く2月、11月、梅雨明け後の7月下旬~8月上旬です。ただし、夏は湿気が多く、台風も発生しやすいため、天気予報と湿度をよく確認してください。

シミや虫食いを見つけたら?

虫干しのタイミングで、万が一シミや虫食いを見つけたら、焦ってしまう方も多いのではないでしょうか。そんなときは自分で落とそうとせず、着物クリーニング店に出しましょう。着物クリーニング店なら、着物の美しさを保ったまま、汚れを落としてくれます。着物クリーニング店が近隣にないという場合も、近年は宅配で着物クリーニングを行っているところもあるため利用してみるのもありです。

まとめ

着物の虫干しについて解説しました。着物の虫干しは、ついつい忘れてしまいがちです。しかし、大切な着物を虫食いや汚れ、シミから守るために虫食いはかならず必要になります。着物を自宅で保管しているという方は、この記事の解説を参考に、定期的に虫干しを実施しましょう。着物の虫干しを実施して正しく保管すれば、大切な着物を長い間美しく着られるようになります。

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