着物に付いてしまった口紅はどう落とす?

公開日:2024/03/15 最終更新日:2023/10/02
疑問

着物は日本の伝統的な衣装であり、美しく着こなすことは多くの人の憧れです。しかし、着物を着ているときに口紅をつけてしまったら、どうしたらいいでしょうか?口紅は油性の汚れであり、着物の素材によっては落とすのが難しい場合があります。そこで、この記事では、着物に付いた口紅汚れを落とす方法や注意点についてご紹介します。

頑固な口紅汚れを落とすときにやってはいけないこと

着物に口紅やグロスの汚れが付くと、とても気になりますよね。でも、その汚れを落とすために間違った方法をしてしまうと、かえって着物を傷めたり、汚れを広げたりすることになります。そこで、頑固な口紅汚れを落とすときにやってはいけないことをご紹介します。

まず、絶対にやってはいけないのが、濡らしたタオルやティッシュで拭くことです。口紅やグロスは油性の汚れなので、水だけでは分解できません。濡らしたもので拭くと、汚れが水に乗って周囲に広がり、シミの範囲が大きくなってしまいます。

また、強くこすると、汚れが繊維の奥に入り込んでしまい、後から落とすことが難しくなります。次に、クレンジングオイルやミルク、除光液などのメイク落としグッズを使うこともNGです。これらの製品は口紅やグロスの油分を溶かす力はありますが、着物の染料や繊維にも影響を与える可能性があります。

クレンジングオイルやミルクを使った場合は、その後にお湯洗いや強力な洗剤で洗濯する必要がありますがしなければなりませんが、着物は水洗いや合成洗剤が使えないものが多いです。除光液を使った場合は、アセトンや香料などの成分が着物の染料を褪色したりさせたり、変色させたりすることがあります。

着物の口紅汚れはどうやって落とせばいいのか

着物に付いた口紅やグロスの汚れを自宅でしっかりと落とす方法があります。効果的な方法を以下に示します。

ベンジンの使用

着物の口紅汚れには、石油系の溶剤である「ベンジン」が有効です。ベンジンは油分を多く含む口紅やリップグロスの油溶性汚れを効果的に取り除きます。さらに、ベンジンは揮発性が高いため、すぐに乾燥し、着物を縮ませる心配がありません。

ベンジンは薬局、ドラッグストア、ホームセンター、ネットストアなどで入手可能です。

準備と注意点

ベンジンを使用する際には、換気を確保し、目立たない部分でテストを行って変色や色移りが起きないかを確認します。作業の際にはマスクを着用し、ベンジンが飛散しないように注意します。

また、ベンジンを使用する際は、柔らかい布やガーゼ、獣毛ブラシ、着物用のハンガー、中性洗剤(必要な場合)などを用意します。

口紅汚れのしみ抜き手順

着物をタオルの上に広げます。ベンジンを布やガーゼにたっぷりと染み込ませ、口紅汚れの部分に叩くようにベンジンを塗布します。歯ブラシを使って汚れを叩き、タオルで汚れを吸収します。タオルが汚れたら場所を変え、清潔な部分を使います。

汚れが目立たなくなるまで繰り返し、ベンジンで濡れた部分の境界線をぼかします。最後に着物を自然乾燥させるか、水洗いが可能な着物であれば中性洗剤で全体を手洗いし、乾燥させます。

注意事項

特殊な加工や刺繍、金箔・銀箔がある部分にはベンジンを使用しないでください。染料や素材によっては、色落ちや変色が起きる可能性があるため、変色テストを行いましょう。作業中は十分な換気を確保し、火気の使用を避けてください。強い摩擦やこすりすぎに注意し、着物を傷つけないようにしましょう。

これらの手順に従えば、口紅やグロスの頑固な汚れを着物から効果的に取り除くことができます。しかし、着物の素材や染料によっては、自宅での処理が難しい場合もあるため、慎重に取り組むことが大切です。

時間が経ってしまったとき・濃い色の汚れのときは?

汚れが付いてから時間が経過してしまった場合や、汚れが非常に濃い色の場合、自宅でのお手入れが難しくなります。以下はそのようなケースに対する対処方法です。

時間が経ってしまった場合

汚れが付いてから数日以上経過している場合や、いつ付けたかわからない場合、自宅でのシミ抜きは難しいです。こうしたケースでは、専門のクリーニング店に相談し、プロの技術を頼ることが重要です。専門店ではより強力な洗浄方法や特殊な処理が可能で、古いシミにも対応できます。

濃い色の汚れの場合

濃い色の口紅やグロスの汚れは、自宅でのお手入れが難しいことがあります。自宅での対処が難しい場合、専門のクリーニング店に相談しましょう。彼らは濃い色のシミに対処するための専門知識や適切な処理方法を持っています。

クリーニング店への依頼

古いシミや濃い色の汚れは、それぞれの汚れに適した方法で洗浄することで、着物をきれいに保てます。クリーニング店には着物の専門知識があり、適切な洗浄剤や技術を用いて汚れを取り除いてくれます。自宅で落とせない汚れは、クリーニング店の利用をおすすめします。

古いシミや濃い色の汚れには、専門のクリーニング店のサービスを利用することが、着物をきれいな状態に保つために重要です。クリーニング店での処理は、着物の素材や染料に合わせて行われ、着物の美しさを守るために信頼できる方法です。

まとめ

着物に口紅の汚れがついた場合、正しい方法で落とすことが重要です。まず、濡らしたタオルやティッシュで拭かないようにしましょう。口紅は油性の汚れであり、水だけでは落ちません。また、クレンジングオイルやミルク、除光液も避けましょう。

これらは着物の素材に影響を及ぼす可能性があります。口紅汚れを落とすために、ベンジンを使用する方法があります。作業中はマスクを着用し、ベンジンが飛散しないように気を付けましょう。口紅汚れを叩いて取り除き、最後に着物を自然乾燥させるか、水洗いが可能な場合は中性洗剤で手洗いしましょう。

時間が経過してしまった場合や濃い色の汚れの場合は、着物をきれいな状態に保つために、クリーニング店の専門家のサービスを利用することをおすすめします。

 

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