着物の正しいクリーニング頻度を解説!

公開日:2023/09/15 最終更新日:2023/06/13
着物

着物は一般的な洋服のように、家庭用の洗濯機でザブザブと丸洗いできません。着物初心者の方は、どれぐらいの頻度でクリーニングに出したらいいのか、見当もつかないという方もいるでしょう。着物は着る頻度や汚れ方の度合いによって、クリーニングする頻度が異なります。本記事では着物をクリーニングする頻度をパターン別に解説します。

頻繁に着るものはシーズンの終わりにクリーニングへ!

たとえば、お正月で着た訪問着を子どもの卒園式や謝恩会でも着るといったように、ワンシーズンのうちに何度も着物を着る機会があった場合、その都度クリーニングするべきか迷ってしまいますよね。結論から言うと着物を着る頻度が高くても、毎回クリーニングする必要はありません。

着物専門のクリーニング店であれば、着物にダメージを与えないよう細心の注意を払って仕上げてくれるでしょう。それでも頻繁にクリーニングすれば、少しずつダメージが蓄積されてしまうのは仕方ないことです。

着物を頻繁に着る場合は、自宅でこまめなお手入れをして、シーズンが終わったときにクリーニングに出すようにしましょう。

自宅でのお手入れ方法

・汚れのチェック

着物をハンガーにかけて、汚れがついていないか細かくチェックします。

・汗抜き

水を固く絞ったタオルで、着物の裏側から汗をかいた部分を軽く叩き、汗の成分を取り除きます。汚れがついていた場合も同様にして拭き取ります。その後かわいたタオルで同じ場所を叩き、陰干しして水分を飛ばします。

・陰干し

直射日光の当たらない屋外や風通しのいい室内で着物を干して、汗などの湿気を飛ばします。

シーズンオフにはクリーニングに出す

着物にも洋服と同じく寒い季節に着る着物や暑い季節に着る着物があります。着用シーズンが終われば、丸洗いクリーニングに出すことをおすすめします。自宅で丁寧に手入れしても、皮脂やホコリなどで知らず知らずの間に汚れが蓄積されてしまいます。

そのような汚れを丸洗いクリーニングでまとめて取りのぞいておけば、次のシーズンにも気持ちよく着られるでしょう。

しばらく着る機会がないものはしまう前にクリーニング

成人式で着る振袖や葬儀のときに着る喪服着物のように、着る頻度が少ないフォーマルな着物の場合は着用のたびにクリーニングに出してから保管するのが望ましいです。なぜならフォーマル着物は着用頻度が少なく、1度着たら数年間着る機会がなく保管期間が長くなってしまうからです。

フォーマルな場では汗をかきやすくなります。汗をかいた直後は目には見えませんが、時間の経過とともに汗が参加してシミの原因になってしまうのです。数年後に着物を出してみたら、茶色いシミだらけになってしまったというトラブルにつながりかねません。

そうならないためにも一度着用したら、丸洗いクリーニングでしっかりと汗抜きをしておく必要があるのです。また、成人式ではじめて着物を着た人など普段着物を着慣れていない人は、思わぬところに汚れが付着していることがあります。

自分では丁寧に着ていたつもりでも、着物の裾から膝裏まで泥はねしているということもありえます。そして着物に慣れていない人は、そういった汚れを見落としがちです。泥はねや食べこぼしなどの汚れは早めに対処すれば落ちやすいですが、放置するとなかなか落ちないがんこ汚れになってしまいます。

そのためにも着用が終わったら専門家にチェックしてもらい、早めに汚れを落としてもらうと数年後もきれいな着物が着られます。

汚れのあるものはなるべく早めの対処を心がけよう

着物の丸洗いクリーニングで落とせるのは皮脂汚れやメイク汚れなど油溶性の汚れだけです。コーヒー紅茶、ワインのシミ、泥はね、雨水のシミ、血液の汚れなど水溶性の汚れは丸洗いクリーニングでは落とすことができません。

ですが、水溶性の汚れは早めに対処することで、比較的落ちやすくなります。逆に長年放置すれば、なかなか落ちないがんこな汚れになってしまうので、汚れを見つけたらできるだけ早く「シミ抜き」を行いましょう。

着物クリーニング店の中には、丸洗いクリーニングのオプションとしてシミ抜きをしてくれるお店がありますが、シミ抜きを単独でしてくれるお店もあります。水溶性のシミを発見したら、気軽に染み抜きを依頼できるクリーニング店を見つけておくと安心でしょう。

パッと見ただけでは丸洗いクリーニングで落とせる汚れか、シミ抜きが必要な汚れか判断するのが難しい場合もあるかもしれません。そんなときは自分で判断せず、着物専門のクリーニング店で相談しましょう。

まとめ

着物を洗う頻度は、着用頻度の高いカジュアルか着用頻度の低いフォーマルかによって違ってきます。それぞれの着用頻度に合わせて、着物をクリーニングしましょう。気軽に丸洗いできない着物だからこそ、普段からこまめな汚れのチェックや手入れが必要です。

しみ抜きをしてくれる着物専門のクリーニング店もあるので、気になる汚れがあるときは相談すると良いでしょう。専門店でしっかりクリーニングして着物の状態を維持し、気持ちよく着物を楽しんでください。

RELATED POSTS

おすすめ関連記事