成人式後の着物のお手入れ・保管方法は?注意するポイント

公開日:2023/04/13

着物のお手入れ方法を知っていますか?成人式など、汗をかかない時期に短時間の着用であっても、着物は着たら手入れをしてから保管するのが常識です。そのまましまってしまうことのないようにしましょう。正しいお手入れと保管方法を知っておけば、着物をもっと長持ちさせられます。これから着物を着る機会がある方はぜひ覚えておきましょう。

目立った汚れがなくてもお手入れ必須!

正しい着物のお手入れ・保管方法をご存知でしょうか。現代では、和装にあまり馴染みのない人も多く「短時間しか着ていないし、汚れもないから…」と、一度着た着物をそのまま保管している方もいるのかもしれません。成人式後、しばらく着物は着ないという場合にはとくにこのお手入れが大切になります。

どんなに汚れないように気をつかっていても、見えない汚れは付着しています。また、ふだん着慣れていないため、階段の上り下りで振袖の袖が汚れたり、襟元にファンデーションが付いてしまったり、ということは多いものです。

また、汚した自覚がなくても、着物は短い時間でも着用することで、外気中の不純物に触れ、人の体温で湿気をおび、皮脂が付着します。脱いだ時、見た目ではなんともなくても、時間が経過すると雨じみや汗じみが出てくる、また湿気でカビが発生するといったこともあります。

すぐにお手入れしていれば…と後悔しないためにも、成人式から帰ったら忘れずにお手入れをしましょう。

帰宅後すぐにやっておきたいお手入れ方法は?

成人式が終わっても、大切な着物を長く楽しむために、着た後は必ず汚れのチェックとお手入れをすることが大切です。成人式から帰ったら、さっそく着物のお手入れをしましょう。

しっかり湿気を取り除く

帰宅したらまずは着物をハンガーにかけて、湿気を飛ばします。風通しがよく、日光の当たらない場所に干すとよいでしょう。湿気を飛ばすには、最低でも2時間は必要です。1~2日ほど干しておくのがベストでしょう。しっかり乾かそうと、あまり長期間干しておいても、生地がたるんだり、色焼けしたりすることがあります。

また、室内だからといって障子のある部屋にかけておくと、障子越しに日差しを浴び、日焼けすることもあるので注意が必要です。あわせて帯や長襦袢、重ね襟、帯締め、帯揚げといった小物も干すようにしましょう。

ほこりを落とす

着物をハンガーにかけ、ブラシでほこりを払いましょう。外を少し歩くだけでも砂やほこりが付着します。着物用のブラシがない場合には、乾いたきれいなタオルや、未使用の化粧用パフを代用してもよいでしょう。

汚れのチェック

汚れが見つかった場合には、クリーニングに出すといった早い対処が必要になります。襟元、袖、裾はとくに汚れやすい場所なので、見落としがないようしっかりチェックしましょう。振袖だけでなく、長襦袢の汚れもチェックします。

しかしここで、汚れが見つかったとき、自己判断でケアしようと思わないことが大切です。着物はとてもデリケート。間違ったケアで生地を痛めてしまったり、色が抜けてしまったりすることもあります。

自宅で染み抜きできるケースもありますが、一度、着物のクリーニング専門店に相談しましょう。

汚れがあった場合は早めにクリーニングへ

汚れをチェックして、問題なければ湿気、ほこりを取り除いたらたたんで、たとう紙に包み保管します。着物をチェックして、汚れが見つかった場合は早急にクリーニングに出すようにしましょう。

時間が経過してしまうと、汚れが落ちにくくなるだけでなく、変色して料金が高くなるケースもあります。また、雨や雪によって着物が濡れた場合にも、必ずクリーニングに出すようにしましょう。

振袖を長期保管するならここに注意!

振袖は成人式以外にも、お正月の初詣、結婚式など着る機会が何度もあるでしょう。しかし、しばらく着る機会がなさそうな場合には、保管方法にも気をつけなければいけません。

久しぶりにタンスから着物を出してみたら、着物がシミやカビだらけ…なんてことにならないようにしたいものです。ここでは着物を長期保管する場合の注意点について、ご紹介します。

長期保管前にクリーニングは必須

長期保管するときには、見えない汚れを落とすためクリーニングに出し、きれいな状態で保管するのがベストです。クリーニングは一般的なクリーニング店でも受け付けていますが、洋服と同じ扱いで洗濯されてしまうため、生地が縮むことがあります。着物専門のクリーニング店に依頼しましょう。

たとう紙はきれいなものを使用する

たとう紙は何年も使っていると、湿気を吸うことで茶色に変色したり、シミができたりすることがあります。吸湿性にすぐれ、カビやほこりから着物を守るたとう紙ですが、たとう紙からシミやカビが着物にうつってしまうこともあるので注意しましょう。

たとう紙は着物の保管時にチェックし、状態がよくなければ交換して、カビや汚れのないものを使用することが大切です。

湿気・紫外線・虫対策は万全に

着物の保管時に気をつけたいのが湿気です。とくに梅雨時や、暖房を使う冬場などは注意が必要となります。湿度がこもりやすい部屋やクローゼットでは除湿剤を使用する、暖房を頻繁に使用しない部屋に保管するなど、着物を湿気から守るようにしましょう。

また、紫外線も変色を招きます。室内の保管であっても、窓際にかけておかないことはもちろん、蛍光灯によっては紫外線が発生するものがあるため、できるだけ暗所での保管が必要です。

そして、もっとも防ぎたいのが虫食いです。着物の穴が開いてしまうと修復が難しくなります。ウールは虫がつきやすいため、ウールの小物と一緒に保管しないようにしましょう。

また、汚れも虫を寄せ付ける原因になります。長期保管の際は汚れ落としてから保管することが鉄則といえるでしょう。

まとめ

着物は高価なもの、母から受け継いだ着物など、長く大切に使いたいものをお持ちの方が多いのではないでしょうか。大切な着物を長く着るために、使用後のケアは必須といえるでしょう。

また、長期にわたって保管する場合にも、保管場所やたとう紙の状態など、配慮することで着物を守ることができます。着物を入れて、中の酸素を除き、不活性ガスを注入する保管用袋であるシルクパックの活用もおすすめです。お気に入りの着物をきれいに保つために、今回ご紹介した方法をぜひお試しください。

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